8月2日


肌蹴たシャツを肩から落とす。
露になった肌に唇を寄せると、ふわりと体温が上がる。
唇を寄せるとくすぐったそうに身を捩って、舌先で触れるとくすくすと笑った。
「託生、感じる?」
「くすぐったいだけ」
やめて、と託生はオレから逃げようと身体を丸めて背を向ける。
逃がしてなるものか、とオレは託生の上に覆いかぶさった。
「ギイ、重たいよ」
「んー、じゃあここは?」
背中に指を滑らせると、ぴくっと託生は背を反らした。
冷たい肩先を軽く噛んでみると、ふっと託生は息を漏らした。
「気持ちいい?」
「・・・ん」
それは良かった、とうつ伏せになった託生の背中に口づけを落とす。
腰のラインを何度か撫でて、そういえば、と思い出した。
「なぁ託生」
「なに?」
「今日って何の日か知ってる?」
「え?」
パジャマの下衣を脱がして、下着に指をかける。
「今日は、パンツの日なんだってさ」
「・・・・」
「パンツの交換とかすればよかったかな」
言うと、託生はぷっと吹き出した。色っぽいムードなどどこかへ飛んでしまったように、楽しそうに笑い続ける。
「シャツの交換は祠堂にいた時によくしたね」
「お前、嫌がってあんまりしてくれなかったじゃないか」
「だって、誰かにバレたら恥ずかしいだろ」
「やっぱりパンツの交換の方が良かったかな」
「さすがにパンツの交換はどうかなぁ」
下着姿の恋人の悩ましい姿に、やっぱり交換よりは脱がす方がいいなと思い直す。
「ほら、笑ってないで、続きしようぜ」
「えー、何だかそんな気分じゃなくなったんだけどな」
そんな口ごたえなんてキス一つ塞ぐ。
それにしてもパンツの日。
いったい何をするのが正しい過ごし方なのだろうか。






Text Top

あとがき

パンツの日だそうな!パンツの交換て普通はしない!