9月20日 



「何もない」
冷蔵庫を覗いたギイが、がっくりと肩を落とした。
珍しくギイが長期バカンスを取れたので、二人で旅行をして、たった今帰ってきたばかりだ。
微妙な時間になってしまったせいか、胃袋がブラックホールのギイは「腹減った」などと言い出した。
確かに少し小腹が空いた気はするけど、もう寝る時間だし。おまけに冷蔵庫は空っぽである。
「何だかなー、今から外食ってのも面倒だし、何かないのかー」
何もないって分かっているのに、ギイはごそごそとキッチンの扉を開けまくる。まったく往生際が悪いな!
「何もないよ。出かける前に綺麗に片付けていっただろ?」
「くそー、ないと思うと余計に腹が減る」
「もう寝たら?」
「ピザ取るかー」
「聞いてないね。ぼくはもう寝るよ、おやすみ、ギイ」
「こらこら、オレ一人で夜中にピザはないだろ、付き合えよ」
「やだよ。こんな中途半端な時間にピザなんて」
などとやり取りをしている間にも、ギイはさっさと宅配ピザを頼んでしまった。
もー、少しくらいお腹空いたまま寝たってどうってことないのに!
眠気と空腹の戦い。
これもみんな冷蔵庫が空っぽなせいと、ギイが空腹なせいだ。
今度はギイのために何か備蓄しておこう。
ソファでうつらうつらしながら、ギイに付き合ってピザの到着を待つのだった。



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あとがき

空の日だそうな!スカイでは妄想できなかった(笑)男の2人暮らしは冷蔵庫が空っぽというのがいい。