欲しいならあげる


※真三洲話でございます。


くっと形のいい眉がしかめられ、次の瞬間、心地良さそうに吐息をついて首筋に顔を埋めてきた。
放ったあとも、まだ身体の奥深くで脈打つものはまだ十分な硬度と熱を持っている。
三洲は自分にのしかかる大型犬のような男の肩を押し返そうとしたが、その手首は簡単に掴まれてベッドへと押し付けられてしまった。
「なに、まだ足りないのか?」
揶揄するような三洲の口調に、真行寺は拗ねたように唇を尖らせた。
どこまでも甘い雰囲気には程遠い恋人にちょっとばかり不満も募る。
「気持ちよくなかった?アラタさん」
「気持ちよかったよ」
「何か嘘っぽい」
何でこんなことで嘘をつく必要がある、と三洲は真行寺の耳を思い切り引っ張った。
「痛い痛いっ、もーアラタさん凶暴すぎっ」
「うるさい」
「こうしていちゃいちゃしてる時くらいは優しくしてくださいよ」
笑って言って、真行寺は緩く腰を動かした。
甘い疼痛が走り、三洲は思わず背を反らした。
さっきまでさんざん快楽を分け合って、三洲としてはもう十分すぎるくらい十分堪能したのだけれど、どうやら真行寺は違うらしい。
「お前、まだするつもりか?」
「だって気持ちいいって言ったじゃん」
無邪気に笑って、けれど三洲の抵抗なんて易々と押さえ込み、真行寺は湧き上がる快楽を拾い上げ、それを三洲にも与えていく。
「んっ・・・」
真行寺のことを好きだと認めてからのセックスは、それまでと同じようでいて、何かが違う気がした。
彼を好きだと認める自分が悔しくて、素直に快楽に身を任せることができずにいた頃と比べて、自分の気持ちを認めてしまった今は、真行寺に対して意地を張る必要もなくなったから、感じる快楽もやはり違うということなのだろうか。
それはそれでやっぱり悔しい気もしたけれど、最近ではもうどうでもいいかと思うようになってきた。
もちろん、そんなことは真行寺には伝えていないのだけれど。
「アラタさん・・・好き・・・」
耳元で囁かれ、三洲はそっと真行寺の背中に腕を回した。



「お前、がっつきすぎだ」
「ごめんなさい」
「本気で思ってないだろ」
「そんなことないですけど、久しぶりだったし」
受験勉強も最後の追い込みに入ってきて、さすがにそうそう真行寺と会うための時間を取っているわけにもいかなくなってきた。真行寺から頼み込まれて、今夜は2週間ぶりの逢瀬だった。
健全な男子高校生が2週間お預け状態だったのだから、がっつかれるのもある意味当然なのかもしれないが、容赦なく好き勝手されるこっちの身にもなれ、というものだ。
「だって、卒業したら、それこそ1年に何回かしか会えないんすよ?」
「だから?」
「だから、アラタさんのこと忘れないようにしたいんすよ」
ちょっと会わないくらいで忘れるかもなんて、お前はどれだけ馬鹿犬なんだ、と言いそうになったが、何とか堪えた。卒業まであとわずかだ、ということくらい三洲だってよく分かっている、真行寺が感じている寂しさは、三洲だって同じように感じているものだ。
けれどそんな感傷に流されて、べたべたと一緒にいるような関係にはなりたくなかった。
背中から覆いかぶさるようにして抱きしめてくる真行寺の腕を、三洲はぎゅっとつねった。
「痛いってば」
「・・・そんなに会いたいのか?」
「当然でしょ。アラタさんは俺に会いたくないの?」
「・・・・わかった」
三洲は真行寺の腕から逃げるようにして身体を反転させると、最近すっかり子供っぽさが抜けてきた真行寺の顔を見つめた。
「会ってもいいぞ」
「え、ほんとに?」
「ただし」
ぱっと輝いた真行寺の表情が一瞬にして訝しげなものに変わる。
三洲がどれほど意地の悪い男か、もう十分知っているからだ。
「会うだけだ。セックスはなし」
「ええー、それはひどいっすよ!!」
「・・・お前は、俺と会うのはそれだけが目当てなのか?」
「えっ、いやいやそんなことないっすよ。そりゃアラタさんに会えるだけで嬉しいですけど・・・」
それは本心ではあったが、何しろ若いので、それだけではやっぱり物足りないと思ってしまうのも事実なのだ。真行寺は神妙な顔つきで三洲に尋ねた。
「アラタさんは、そういうことなしでも全然いいんだ?」
「・・・・どうかな。まぁそうだな、じゃあ真行寺、俺がしたいって言ったらどうするんだ?」
「え、そりゃもう喜んで」
「そうじゃなくて、俺がお前を抱きたいって言ったらどうするんだ?」
「え?」
にやりと笑う三洲をどこか信じられないものを見るかのように真行寺が凝視する。
何だかとんでもないことを聞いてしまったような気がして固まる真行寺の頬を、三洲が片手でむぎゅっと掴んだ。
「俺だって男だからな、されるばかりじゃなくて、たまにはお前を抱きたいって言ったら、お前、それでも喜んで俺と会うか?」
「・・・・」
「その覚悟があるんなら、もっと頻繁に会ってもいい」
ぽいっと放り出すように言うだけ言って、三洲は黙り込んでしまった真行寺に背を向けて目を閉じた。

(これでしばらくは会いたいなどと言ってくることはないだろう)

やれやれ、だ。
三洲は日頃の寝不足のせいか、2週間ぶりの逢瀬のせいか、すぐに睡魔に襲われて眠りに入った。
残された真行寺はそんな三洲の隣で、難問をぶつけられた受験生よろしく眠れぬ夜を過ごした。




生徒会も引退まであと僅かとなり、引継ぎの準備が始まり、同時に最後の文化祭の準備に追われ、空いた時間は自分の受験勉強でいっぱいいっぱいで、それ以外の時間を取ることは難しくなっていた。
あの夜以来、真行寺は三洲に会いたいと言ってくることはなかった。
さすがの真行寺も三洲に上を取られるとなると、少しは考えるのだろう。
それにしても、よくよく考えてみれば、同じ男なのだから自分ばかりされてしまうというのはやっぱり腑に落ちない、と三洲は思う。
別に男としてのプライドがどうこうということではなく(いや、それも少しはあるのだけれど)、単に平等性の問題なのだ。どうしたって受ける方が疲れるような気がする。
それでなくても体育会系の真行寺と比べたら体力面で劣るのは当然なのに、いざそういうことになると全く配慮もせずに、好き放題するのだ。
まったく理不尽だと思う。
それなのにどうしてこういうことになってしまったのだろうか、と考えてみると、一番最初にそれを許してしまった自分にも問題があるのではないか、というところに行き着いてしまうのだ。
強引に押し切られてしまったあの時、どうしてそれを許してしまったのか。
「分からないな」
「え?」
背後で同室の葉山託生が振り返る。
「どうしたの、三洲くん」
「ああ、いや、悪い。独り言」
「珍しいね、三洲くんが独り言言うなんて。そんなに難しい問題なの?」
どうやら勉強に飽きて一息つきたいらしい託生に、三洲も付き合うことにする。
互いに机からは離れてベッドに腰掛ける。それだけで十分休憩モードになれた。
「ある意味難問かな」
「ふうん」
「葉山、聞いてもいいか?」
「三洲くんが分からない問題、ぼくに分かるはずないだろ?」
慌てて託生が手を上げる。
「崎と付き合い始めた頃はともかく・・・」
「は・・・?」
いきなり恋人の名前を出されて、託生は一瞬警戒するような表情を見せた。
そんな託生に、三洲は軽く肩をすくめる。
「隠し事はなしって約束だろ?」
「そう・・・だったね。うん。ギイが、なに?」
「付き合い始めはともかく、これだけ長く付き合ってるとさ、自分が上になりたいって思ったことはない?」
「・・・・・うえ?」
「そう上」
ぱちぱちと瞬きを繰り返す託生に、三洲はぷっと吹き出した。
くすくすと笑い続ける三洲に、託生は困惑したように首を傾げる。
「あの、三洲くん?」
意味が分からない様子の託生に、三洲は無理矢理顔を引き締めた。
「いや、いいんだ。おかしなこと聞いて悪かった」
「えっと・・・・」
「おかしなこと聞いたお詫びに、何か飲むもの買ってくるよ。コーヒーでいい?」
「うん。あ、お金・・・」
「いいって。お詫びだから」
託生はまだよく分からないといった表情で、それでも小さくありがとうと言った。
270号室を出ると、やっぱりまた笑いが込み上げてきた。指先で口元を押さえながら階段を降りる。
どう考えても託生が崎を・・・という図は想像できない。だが、いつもいつも押し倒されてばかりじゃさすがの託生も腹も立つのではないだろうか。
「いや、押し倒されてばかりとは限らないか。逆はありそうだな」
託生が相手なら、崎は喜んで押し倒されてそうだ。それでも上は譲らないだろうが。
自販機の前でポケットから小銭を取り出す。
託生が好きそうな缶コーヒーと、自分のためにミネラルウォーターを。
「アラタさんっ!」
「・・・っ」
いきなり背後から声をかけられ、さすがの三洲もびっくりして振り返った。
もちろん祠堂で三洲のことを「アラタさん」などと呼ぶのはたった一人しかいないわけで、振り返るとそこには真行寺が立っていた。
「こ、こんばんわ。アラタさん」
「はい、こんばんわ」
素っ気無く答えて、三洲は真行寺の横を通り過ぎる。慌てて真行寺三洲を追う。
「アラタさん、ちょっといいですか?」
「だめだ。お前、もうすぐ消灯だぞ」
「それ、誰と飲むんすか?」
「さっさと部屋に戻れよ」
こんな人目のあるところで気安く話しかけるなと何度言ったら分かるんだ。
だが三洲の冷たい態度などいつものことなので、真行寺はまったくめげる様子もない。
ようやく人気のない廊下にたどり着き、三洲も歩く速度を緩めた。
「あの、アラタさん」
「何だ?」
ひそりと声をひそめ、神妙な面持ちで真行寺が三洲の前へと回り込む。
「あの、今夜、会えませんか?」
「・・・・」
「えっと、ちょっとだけでいいんすけど」
必死の形相の真行寺に、思わず三洲が後ずさる。
階下から賑やかな声が聞こえてきて、三洲が視線を向けた。
「アラタさん、今夜いつもの空き部屋で。俺、待ってるから」
「おい、真行寺っ!」
早口で言うだけ言ってその場を去る真行寺を呼び止めようとしたけれど、現れた集団のせいでそれ以上追いかけることはできなかった。

(今夜だと?なに考えてるんだ)

忌々しげに吐息をついて、三洲は270号室へ戻った。
託生に缶コーヒーを渡して、再び机に向かう。
一方的な待ってる宣言など無視しても一向に構わないはずだ。
けれど・・・
「三洲くん?」
知らず知らずにため息が洩れていたようで、耳のいい託生に拾われてしまった。
「どうかした?」
「いや」
先にシャワー浴びるよと断って、洗面所へと入った。
いろいろ考えた挙句、点呼が終わったら抜け出すことにした。
三洲は三洲なりに、真行寺のことが大事だと思っていたし、会いたくないかと言われれば決してそんなこともないのだ。
まぁどのみち先日からの流れで、今夜押し倒されることはないだろう。
どうせあれこれと理由をつけて、今まで通りの役割でというお願いでもしてくるに違いない。
どんな顔をしてお願いをするのだろうか、と思うとそれはそれでちょっと興味が湧いた
消灯になると、託生は早々にベッドに入り、やがて静かな寝息が聞こえてきた。
三洲は0時ちょうどになるとそっと270号室を抜け出した。
静かな寮内を目的の部屋に向かう。
辺りに誰もいないことを確認してから、いつもの空き部屋に入った。
もちろん中は灯りなどついてはいない。
月の光と、敷地内の外灯の灯りだけが部屋に差し込む灯りのすべてだ。
それでも目が慣れてくるとそれなりに様子は分かる。
まだ真行寺は来ていなかった。誘っておいて来ていないとはどういうことだ、と三洲はむっとした。
それと同時に背後で扉が開き、するりと真行寺が滑り込んできた。
「良かった。アラタさん、来てくれたんっすね」
嬉しそうに言って、真行寺は両手を広げて三洲を抱きしめた。
いきなりの抱擁に、三洲はがしっと真行寺の脛を蹴り飛ばした。
「痛いってば!もーアラタさん、ひどいよ」
「お前が待たせるからだろ」
「ごめんなさい。ちょっと出かけに問題が」
どんな問題だ、とじろりと睨むと、大丈夫ですと真行寺が三洲の手を引いた。
仕方なく二人してベッドに腰掛ける。真行寺はTシャツにハーフパンツですっかり夏らしい格好だが、三洲はまだ長袖のシャツ姿だ。夜になると山奥にある祠堂はぐんと気温が下がる。
寒そうにしている三洲にぴったりと真行寺が寄り添った。
伝わってくる体温に、思わず頬を緩みそうになる。
「アラタさん」
「何だ?」
「あの、この前の話なんですけど」
「この前の話?」
「えっと、いつもされるばかりじゃなくて、する方なら、会ってもいいって」
「ああ、言ったな」
いつもに増してどこか緊張した面持ちの真行寺は、居住まいを正して、一つ咳払いをした。
何だか嫌な予感がする、と三洲は思わず身を引いた。
「アラタさん、俺、あれからいろいろ考えたんですけど、確かに俺ばっかがさせてもらって、でもアラタさんだって男だし、そりゃたまにはする方がいいって思っても不思議じゃないっすよね」
「・・・・」
「だから、その、えっと・・・俺、それもでいいですっ」
「・・・・何だって?」
一瞬聞き間違えたかと思って、三洲は自分の耳を疑った。
らしくなく顔を真っ赤にした真行寺が、がしっと三洲の肩をつかんだ。
「アラタさんがしたいって言うなら、俺、それでもいいっす。あの、今夜、してみますか?俺、そっちの方はしたことないんですけど、が、がんばりますんで・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・ぷっ」
この馬鹿はいったい何を言い出すのだろうか、と思うと思わず吹き出してしまった。
そしてまずいことに、いったん笑い出すと、止まらなくなった。
あまり大きな声は出せないので、ベッドに突っ伏して、声を殺して笑った。
まさか本当にそれでもいいだなんて言い出すとは思わなかった。
真面目な顔をして、緊張して、抱かれてもいいですなんて。
「あの、アラタさん?」
「はは・・・あぁ腹が痛い。お前、馬鹿だ馬鹿だと思っていたが、まさかここまで馬鹿だとは思わなかった」
「ひどっ!アラタさんがそうしたいって言ったんじゃないっすか!!」
「冗談に決まってるだろ。誰が自分よりもデカいヤツを、それも男を抱きたいなんて思うんだ」
きっぱり言うと、真行寺はあんぐりと口を開けた。
「じゃあ、アレは何だったんですかー!」
「あんなの、会うを断るための口実に決まってるだろ」
「・・・・」
真行寺はしばし呆然とした後に、ぱたりとベッドに倒れこんだ。三洲は肘をついて上体を起こすと、倒れこんだまま無言でいる真行寺の髪を引っ張った。
「お前、おかしなヤツだな」
「・・・・ひどいっすよ、アラタさん」
「まさか本気にするとは思わなかったんだよ」
くるりと身体を反転させて、真行寺は三洲を見上げた。
「俺、めちゃくちゃ悩んだんですよ!」
「だろうな」
「でも、アラタさんがそうしたいっていうならって」
「はいはい」
「男の純情弄ばれた」
「大げさなヤツ。どうしてもして欲しいっていうなら考えてもいいけど?」
意地悪く三洲が笑うと、真行寺はうーっと低く唸り、長い腕を伸ばして三洲を引き寄せると自分の胸の中へと抱えこんだ。
さすがに少しからかい過ぎたかと思い、三洲はされるがままに真行寺の腕の中で大人しくしていた。
「アラタさん、そんなに俺と会うの、迷惑だった?」
やけに切なそうな声色に、三洲は苦笑した。
「・・・一応受験生だからな、そうそうしょっちゅうは会えない」
「うん」
「別に会いたくないってわけじゃないが、お前、少し優しくするとすぐにつけ上がるからな」
「だって・・・」
おかしなやつだな、と三洲は改めて思う。
どうしてそこまでして会いたいなどと思うのだろう。
いや、もしかしたらそれが普通なのだろうか。
抱かれてもいいだなんて、そこまでしても、好きになった相手に会いたいと思うのが普通なのだとしたら、自分は何かが欠けているのかもしれないとも思う。
誰かを愛することを、その気持ちに素直になることを、それを相手に伝えることを、三洲は真行寺みたいに上手くできない。
けれど、真行寺はそんな三洲に教えてくれるのだ。
その言葉とその態度で。
「真行寺」
「はい?」
三洲が起き上がると、真行寺もつられて起き上がった。
「確かに卒業まではあと少ししかないかもしれないけどな、卒業したらそれっきりってわけじゃないだろう?」
「もちろんそうですけど、アラタさんが卒業したら、今よりもっと会えなくなるんすよ?」
「それだって、お前が卒業するまでのたった1年のことだよな?」
「・・・・それは・・」
三洲は俯く真行寺の前髪をさらりとかき上げた。
「たった一年と数ヶ月会えないくらいで、がたがた騒ぐな。先は長いんだから、少しくらい会えなくたって何の問題もないだろう。全く会えないわけでもあるまいし。お前、俺のことを信じてないのか?」
「・・・アラタさんは、俺のこと、信じてくれてるの?」
真行寺が不安そうに三洲を見つめる。
「俺が躾けた馬鹿犬だからな」
くすくすと笑う三洲に、真行寺はどこかほっとしたような表情を見せた。
「ちょっと嬉しいかも。アラタさんがそんな風に思っててくれたなんて」
「・・・・」
「俺とのこと、卒業までの付き合いなんじゃなくて、卒業してからも、それからもずっと続いてくものなんだって言ってくれて、俺、めちゃくちゃ嬉しい。しっぽがあったら、たぶんぐるんぐるん振ってるよ」
ひどく幸せそうな笑みを見せる真行寺。
たったそれだけのことで、そこまで喜ぶとは思わなかった。
不思議なもので、真行寺が嬉しそうにしていると、三洲もまた気持ちが温かくなっていくような気がした。
「真行寺」
「はい?」
「とりあえずしばらくは会えないから・・・」
「はい。大丈夫っす」
ちゃんと三洲からの言葉を貰えたから、大丈夫だと真行寺は笑う。
三洲はそんな真行寺の肩先を拳で叩くと、
「だから、今夜していくか?」
と、試すように尋ねた。
はいと答えるべきか、我慢しますと答えるべきか、しばし悩んだ真行寺だったが、三洲からの誘いを断るようなもったいないことができるはずもなく、堪え性がないと思いながらも、
「・・・・はい」
と小さく頷いた。





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あとがき

原作設定はちょいと横へ。馬鹿笑いする三洲が書きたかったので。