お子さまランチ



ギイが今日から3日間オフだという。
そして、どこにも行かずに家でぼくとゆっくりすると宣言した。
まぁね。
毎日忙しくしているギイだから、何もせずにゆっくりするというのは何の問題もない。
ないんだけど・・・・
「ギイ、邪魔」
お昼に簡単な食事を作ろうとキッチンに立つぼくの背にへばりつくようにして、ギイが手元を覗き込む。
「んー。だって暇だしさ」
ぼくの腰に手を回して肩に顎を乗せる。
「・・・暇ならどこか行く?」
「いや、3日間は家にいるって決めた」
「何もせずに、だろ?じゃあ暇を満喫しなよ。滅多にできないことなんだしさ」
「満喫してるよ。託生とずっと一緒にいられるし」
ギイの言うずっと一緒というのは、ただ家で2人でいるということではなく、本当にべったりとぼくにへばりつくという意味なのだ。
小さな子供じゃあるまいし、ぼくがどこへ行くにもついてくるし、ソファに座っていると隣にくっついてるし、こうしてキッチンに立つと手持ち無沙汰に後ろに立つ。

(子供か????)

こんなに大きな子供を持った覚えはないんだけどな、とぼくは苦笑する。
「何だよ?」
「何でもない。お子様ランチにしようかな」
「何で?」
「ギイのために」
わけが分からないという表情のギイの頬に、ぼくは笑ってキスをした。




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あとがき

面倒なオトコだな、ギイ。