ヒメハジメって、ヒメハジメって・・ 「そういう意味?????」 朝風呂から帰ってきたとたん、まだ部屋に敷いてあった布団の上に有無を言わせず押し倒された。 「ちょ、ちょっとギイ!!!駄目駄目駄目駄目」 「いてっ。お前、本気で蹴るなよ」 「何だよっ、ちょ、浴衣脱がさないでっ!!!」 せっかく着たのに何すんだよー! 「いや、脱がすだろ。あー風呂上りっていい匂い」 くんくんと首筋に顔を埋めて、ギイがくすくすと笑う。 必死で浴衣の合わせを手で掴むけれど、ギイが足の間に膝を入れてくる。 「もう・・・っ、やだやだ。ギイのすけべ!」 「はいはい、託生、身体ほかほかだなぁ。気持ちいい」 「んーーーーっ、重たいってば」 すっかり身動きできない形で圧し掛かられて、ぼくは必死でギイの肩を押し返すけど、馬鹿力のギイはびくともしない。 「いいじゃん。正月だぞー、休みだぞー、一日いちゃいちゃしてたっていいんだぞー」 「良くないよっ、朝っぱらから何考えてんだよ」 「何ってなー。じゃあ託生、夜ならいいのか?」 「え、えー、ど、どうだろう」 「じゃあ最後までしなかったら、ずっと触っててもいい?」 「え、触るって、やだよ、そんなの」 思わず赤くなったぼくに、ギイがちゅっとキスをする。 「あれもやだ、これもやだって、お前、オレのこと愛してないの?」 それとこれとは話が別だろ!と言いたいけれど、ギイのことを愛してないと思われるのは心外だ。 でも。 「やっぱり朝は駄目」 「ケチ」 「だって・・・ゆっくりできない・・から」 言ったとたん、ギイが満面の笑みを見せる。 もう・・そういう顔しないでくれないかな。 見てるこっちが恥ずかしくなる。 |