お正月(2015年) 3



ヒメハジメって、ヒメハジメって・・
「そういう意味?????」
朝風呂から帰ってきたとたん、まだ部屋に敷いてあった布団の上に有無を言わせず押し倒された。
「ちょ、ちょっとギイ!!!駄目駄目駄目駄目」
「いてっ。お前、本気で蹴るなよ」
「何だよっ、ちょ、浴衣脱がさないでっ!!!」
せっかく着たのに何すんだよー!
「いや、脱がすだろ。あー風呂上りっていい匂い」
くんくんと首筋に顔を埋めて、ギイがくすくすと笑う。
必死で浴衣の合わせを手で掴むけれど、ギイが足の間に膝を入れてくる。
「もう・・・っ、やだやだ。ギイのすけべ!」
「はいはい、託生、身体ほかほかだなぁ。気持ちいい」
「んーーーーっ、重たいってば」
すっかり身動きできない形で圧し掛かられて、ぼくは必死でギイの肩を押し返すけど、馬鹿力のギイはびくともしない。
「いいじゃん。正月だぞー、休みだぞー、一日いちゃいちゃしてたっていいんだぞー」
「良くないよっ、朝っぱらから何考えてんだよ」
「何ってなー。じゃあ託生、夜ならいいのか?」
「え、えー、ど、どうだろう」
「じゃあ最後までしなかったら、ずっと触っててもいい?」
「え、触るって、やだよ、そんなの」
思わず赤くなったぼくに、ギイがちゅっとキスをする。
「あれもやだ、これもやだって、お前、オレのこと愛してないの?」
それとこれとは話が別だろ!と言いたいけれど、ギイのことを愛してないと思われるのは心外だ。
でも。
「やっぱり朝は駄目」
「ケチ」
「だって・・・ゆっくりできない・・から」
言ったとたん、ギイが満面の笑みを見せる。
もう・・そういう顔しないでくれないかな。
見てるこっちが恥ずかしくなる。




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あとがき

温泉エッチっていいなぁ。朝からするのが醍醐味だよなぁ。