100年たっても



「100年経っても好きでいてね」
「・・・・っ!」
託生が隣に立つ政貴に言った台詞に、オレは瞬時に反応した。
それはオレに言うべき台詞じゃないのか!と不機嫌を露わにしたところ、
「違うよ、ギイ。野沢くんがさっきのあの歌の歌いだし何だったかなーって言うから、
教えただけだよ」
と、しれっと言った。
ふーん、そうか。
それでもな。
「そういう台詞を他の男に言うんじゃない」
「他の男って、野沢くんだよ?」
「オレ以外禁止」
きっぱりと言い切ると、託生ははいはいとおざなりに返事をした。
「すごいなー。ギイがそういう子供っぽいヤキモチ平気で口にできるなんて知らなかったよ」
にこにこと笑う政貴だが、
「だけど、あんまり我侭言ってると、そのうち葉山くんに嫌われちゃうよ?」
「こんなのヤキモチでも我侭でもないだろ」
言うと、託生は唖然としたようにオレを見て、政貴はどこか哀れみの視線を向けてきた。

オレ、何かおかしなこと言ったか?



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あとがき

ギイ、もうどうしようもない