上下関係 (下)


「納得できない」
恒例の昼食会が終わると、ギイがぶつぶつと首を傾げる。
どこから出てきたのか、ギイと矢倉が付き合っているんじゃないかという噂を知り、ギイはさっきからずっと難しい顔をしているのだ。
「ただの噂だろ?そんなに気にすることないよ」
ぼくが言うと、ギイは深々とため息をついた。
「あのな、誰と誰が付き合ってるなんて無責任な噂は気にしちゃいない。問題はオレと矢倉と、どっちが下かって思われてることだ」
「・・・・あー」
何だ、そんなことか。
「オレが矢倉に押し倒されてるって思われてるとしたら一大事だろ?」
「大げさな」
「いや、かと言って矢倉を押し倒してると思われるのも微妙だ」
「まぁね」
「いや、その前に、どうしてオレと託生が付き合ってるって思われないんだ?」
それは友達設定のせいです、と無言でギイを見る。
「お前、オレと矢倉だったらどっちが下だよ?」
「え?」
「うん?」
「・・・・・どっちも考えたくないし、想像できない。相当無理があるよ」
どっちも美男子だけど・・・いやいや、もう全然無理だし!!!!
「やっぱりオレと託生が付き合ってるって噂・・・じゃないな真実を流すかなー」
「何ばかなこと言ってんだよ」
バレてはまずい真実を流すくらいなら、いかにも冗談みたいな噂が流れている方がましだと思う。
隣でぶつぶつ言うギイには悪いけど、上でも下でもどっちでもいいんじゃないの?とこっそりと思ってしまうぼくであった。




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あとがき

だから個人的には矢倉攻で!ぜひ!(何を?)