何で毎日こんなに寒いんだろう。 朝起きて、ベッドから出るのが本当に辛い。 だけど時間になったら授業に出ないといけない。いつまでも往生際悪くベッドの中でぐずぐずしていると、さっさとベッドから出て、制服に着替えているギイが呆れたように肩をすくめた。 「そこまでの寒さかよ」 「そこまでの寒さだよ」 「大げさなヤツ」 「いいもん、大げさで」 拗ねたように言うと、ギイはしょうがないなと笑った。 そろそろとベッドから這い出て、空気の冷たさに身を竦めていると、ギイがおもむろにぼくの正面に立った。 「託生」 「うん?」 「愛してるよ」 な、なに??? いきなり朝っぱらからギイってば何を言ってるんだ!! 唐突な言葉に唖然としつつも、真剣な表情のギイはそりゃもう瞬きするのがもったいないくらいにかっこよくて、ぼくはとたんにどきまぎしてしまい、顔が熱くなった。 「ふうん、やっぱり本当だったんだ」 言葉もないぼくに、ギイが興味深そうにうなづく。 「な、何が?」 「愛してるって言葉は心じゃだけじゃなくて実際に体温も上昇させるんだってさ」 「・・・」 「託生、寒いの感じなくなっただろ?」 「あのね、ぼくで実験しないでくれないかな」 「何言ってんだ。寒がりの託生くんのために言ってやったのに」 「なにその恩着せがましい感じ」 言ってやった、って何だよ。 さすがのぼくだってそれは腹が立ってしまう。 ギイはぼくの隣に腰を下ろすと、ごめんごめんと笑って言い、ぼくの肩を引き寄せた。 「だって愛してるだなんて今さらの言葉だろ?託生くん、そんなの何回も聞いてるじゃん」 「だからって・・・」 「愛してるよ。世界で一番」 ちゅっと頬にキスされて、ぼくの体温はまた簡単に上がってしまう。 我ながらお手軽な性格だなぁと思うけど、ギイに関してはそれでもいいのかな、とも思って唇に降ってきたキスを受け止めた。 |