チューリップ


「今度はチューリップ?」
ギイがお土産といってぼくに手渡しのは、チューリップの球根だった。
カリフラワーだのヒヤシンスだの、ギイはいったいぼくに何をさせたいんだろう。
「貰ったんだよ」
「ふーん」
「何だよ、その疑わしげな目は」
くすくすと笑いながらギイが上着を脱ぐ。
だって、さ。
「また何か怪しいものじゃないかと思って」
「おいおい。オレがいつ怪しいものをお前は渡した?」
自覚ないのか!?それとも分かってて言ってるのか!?
「そろそろ植えてもいい頃だし、来年の春には綺麗な花が咲く。楽しみだろ?」
「まぁね。明日、さっそく植えてみるよ」
ベランダのプランター、土を変えなきゃだめなのかなぁ。チューリップの育て方を調べなきゃなぁ。
「でな、託生」
「何??」
「そのチューリップなんだけど・・」
と、またギイが何とも申し訳なさそうな表情をして、何やらぼくに打ち明けようとする。
聞きたくない!!!!


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あとがき

何色のチューリップってないんだろう