初めての・・・ 2


何とか無理やり託生を念願のラブホテルに連れ込んだ。
最初はめちゃくちゃ嫌がっていた託生だが、部屋に入ったとたん目を輝かせた。
「すごいねー」
中は深海をイメージした部屋だった。
大型テレビには最新のゲーム機種。DVDはもちろん、カラオケだってある。
「ねぇ、どうして部屋の中にブランコがあるの?」
「さてねぇ」
確かに不可解だ。オレなら置かない。
「あ、ギイ、すごいマッサージ機。ちょっとやってみよーっと」
「・・・・託生」
「なに?」
「お前、楽しんでる?」
「うん、すごいね。ラブホテルって一日遊べるんだね。知らなかったよ」
あー気持ちいいなー、と高級マッサージ機を満喫している託生に、がっくりと肩を落とす。
「・・・なぁ、どうせ楽しむなら違うことして楽しもうぜ」
「何、違うことって?」
「お前、ここが何するところかわかってるのか???」
「・・・でもそういうことなら寮でもできるし」
「!!」
何のために外泊許可まで取ってラブホテルに来たんだ?
託生の一言にぷっつりと我慢の限界を超えたオレは、攫うようにして託生を特大ベッドへと放り投げた。
目いっぱい楽しんだあとなら、ゲームだろうがマッサージだろうがカラオケだろうが付き合ってやろう。
だから、まずは初ラブホテルの本来の目的を満喫させて欲しい。
「せっかちだね、ギイ」
「何とでも」
くすくすと笑う託生に口づける。
妙に余裕のある託生が憎たらしくて、力いっぱい抱きしめる。
さて、初ラブホテル。
どうせなら初のことを試してみよう。


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あとがき

最近じゃ友達同士で宴会もするらしい。章三も連れてけ!