何とか無理やり託生を念願のラブホテルに連れ込んだ。 最初はめちゃくちゃ嫌がっていた託生だが、部屋に入ったとたん目を輝かせた。 「すごいねー」 中は深海をイメージした部屋だった。 大型テレビには最新のゲーム機種。DVDはもちろん、カラオケだってある。 「ねぇ、どうして部屋の中にブランコがあるの?」 「さてねぇ」 確かに不可解だ。オレなら置かない。 「あ、ギイ、すごいマッサージ機。ちょっとやってみよーっと」 「・・・・託生」 「なに?」 「お前、楽しんでる?」 「うん、すごいね。ラブホテルって一日遊べるんだね。知らなかったよ」 あー気持ちいいなー、と高級マッサージ機を満喫している託生に、がっくりと肩を落とす。 「・・・なぁ、どうせ楽しむなら違うことして楽しもうぜ」 「何、違うことって?」 「お前、ここが何するところかわかってるのか???」 「・・・でもそういうことなら寮でもできるし」 「!!」 何のために外泊許可まで取ってラブホテルに来たんだ? 託生の一言にぷっつりと我慢の限界を超えたオレは、攫うようにして託生を特大ベッドへと放り投げた。 目いっぱい楽しんだあとなら、ゲームだろうがマッサージだろうがカラオケだろうが付き合ってやろう。 だから、まずは初ラブホテルの本来の目的を満喫させて欲しい。 「せっかちだね、ギイ」 「何とでも」 くすくすと笑う託生に口づける。 妙に余裕のある託生が憎たらしくて、力いっぱい抱きしめる。 さて、初ラブホテル。 どうせなら初のことを試してみよう。 |