「託生・・・」 耳元で呼ばれて、ぼくは遠くなりそうになっていた意識を取り戻した。 目を開けると、心配そうにぼくを見ているギイがいた。 声を出すこともできず、ぼんやりと彼を見返していると、ふっと優しい笑みが返ってくる。 「気持ちよすぎてイっちゃいそうになった?」 「・・・っ・・ギイ・・・」 「でもまだダメ」 ギイはぼくの首筋に顔を埋めて、さらに腰を進めてきた。 再び始まる律動に、ぼくはまた息を呑む。 身体の奥深くに与えられる快楽が深すぎて、気持ちいいのか辛いのか分からなくなる。 もうヤだ、と言いかけてやめた。 「なに、託生・・・?」 上気したギイの頬に目を細める。 同じなんだよね? 2人して同じ快楽を共有しているのだと思うと・・ぼくだけじゃないんだと思うと、嫌だなんて口にしちゃいけないような気がした。 「ギイ・・好き・・・」 それだけを言うのが精一杯で、掠れたその言葉が聞こえたとは思えなかったけれど、ギイは嬉しそうに微笑むと、ぼくの額にキスをした。 |