初めての・・・ 3


「託生・・・」
耳元で呼ばれて、ぼくは遠くなりそうになっていた意識を取り戻した。
目を開けると、心配そうにぼくを見ているギイがいた。
声を出すこともできず、ぼんやりと彼を見返していると、ふっと優しい笑みが返ってくる。
「気持ちよすぎてイっちゃいそうになった?」
「・・・っ・・ギイ・・・」
「でもまだダメ」
ギイはぼくの首筋に顔を埋めて、さらに腰を進めてきた。
再び始まる律動に、ぼくはまた息を呑む。
身体の奥深くに与えられる快楽が深すぎて、気持ちいいのか辛いのか分からなくなる。
もうヤだ、と言いかけてやめた。
「なに、託生・・・?」
上気したギイの頬に目を細める。
同じなんだよね?
2人して同じ快楽を共有しているのだと思うと・・ぼくだけじゃないんだと思うと、嫌だなんて口にしちゃいけないような気がした。
「ギイ・・好き・・・」
それだけを言うのが精一杯で、掠れたその言葉が聞こえたとは思えなかったけれど、ギイは嬉しそうに微笑むと、ぼくの額にキスをした。




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あとがき

ギイがめろめろになるわけで。