通販生活1


「ただいまー」
ああ、やっぱり家の中はぬくぬくで幸せだなぁ。何しろ今年のNYは異例の寒波で、寒いという言葉が生ぬるく感じるくらいの寒さなのだ。
リビングの扉を開けると、そこから続くキッチンからギイが顔を覗かせた。
「おかえり、託生。寒かっただろ?」
「寒かった。何してるの?」
コートを脱いで、キッチンに入ると、何やら見慣れぬものが・・・
もしかして、これは。
「・・・ギイ、また通販で買ったの?」
「ああ、これすごいんだぞ。こうしてあっという間に野菜がカットされて、そのままスープが作れるという優れもの」
「・・・・」
「早速今日の夕飯で使ってみような」

最近ギイは深夜の通販にハマっている。

(何だか毎日荷物が届いているような気がするんだけど、気のせいかな)

別にギイのお小遣いで買うんだからいいんだけど、いややっぱりどんどんキッチンが侵略されるのは阻止しなくてはならない。
何かいい方法はないものか、ぼくは嬉々として説明を続けるギイを見ながらあれこれと考えるのだった。



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あとがき

お金があるって素晴らしい