「ギイ、もう無理だよ」 「大丈夫だって」 「そんな無理矢理入れたら、抜けなくなっちゃうよ・・」 「そんなわけないって。まだ入る・・。ほら、いけるだろ?」 「あ、だめだよ、溢れちゃう・・・」 「やらしーんだよ、お前らっ!!」 それまで黙って成り行きを見ていた矢倉が、とうとう耐えかねてストップをかけた。 いきなりの怒号に、ギイと託生がきょとんと矢倉を見る。 「お前ら、公衆の面前で恥ずかしい会話をするな」 誰が聞いてもエッチの時の会話だろうが、と指摘され、 「あー、確かに」 と、ギイが楽しそうに笑う。 しかし、である。 もちろん人前でそんな不埒な真似をしていたわけではなく、今2人がしていたのは「アイスクリームつめ放題500円」である。 託生が持つ袋に、ギイがぎゅうぎゅうと棒アイスを詰め込んでいたのだ。 もう入らないという託生、まだまだ入るとギイが詰め込むという図式だったのだが。 「お前、欲求不満なんだよ」 ギイが言うと、 「そうかもな」 と、矢倉が力なく笑った。 馬鹿馬鹿しい話についていけないと、託生はぱんぱんに膨れた袋を持って赤面しつつも一人レジへ向かうのだった。 |