「あれ、ギイどこ行っちゃったのかな」 さっきまでそこにいたはずなのに姿が見えない。託生はきょろきょろと部屋の中を見渡した。 昼間は好き勝手に出歩いているギイだけれど、夜はちゃんと帰ってきて託生のそばにいるというのに、どこを探しても姿が見えない。 「まったくもー、遊びまわってばかりなんだからなー」 しょうがないなぁと託生はため息をついて、とりあえず帰ってきた時に寂しくないように、と灯りはつけたままベッドの毛布をめくった。 するとそこに丸くなったギイがいた。 「ギイ!こんなところに!」 いったいいつの間にベッドに潜り込んでいたのか。 ギイは顔を上げて甘えるような鳴き声を上げた。 「そっか、布団温めててくれたんだ?」 「にゃ」 「ありがと」 でもちょっと場所空けてね、と託生がギイの隣に横になると、ギイはぴたりとその身体にくっついてきた。 「あったかいなー」 寒さには滅法弱いので、これから寒くなる時期にギイは欠かせない。 けれど、いつも眠り始めた頃にお腹の上に乗っかってくるのだけは何とかやめさせなければ。 苦しくて眠れない。 そんな託生の思いを知ってるのか知らないのか、ギイは気持ち良さそうに喉を鳴らした。 |