「心配だなぁ」 「大丈夫だろ」 暢気に返事をするギイに、ぼくは一抹の不安を隠せない。 一緒に住もうと言われ、お互いが飼っている猫が仲良くできるなら、と ぼくは条件を出した。 猫同士の仲が悪いと一緒になんて住めないし。 「タクミは大人しいいい子だけど、うちのぎい、ヤキモチ焼きだからなぁ。 誰かさんみたいに」 「誰だよ」 「誰だろうねぇ」 ギイに猫の名前を何とかしろ、と言われたので最近は猫のギイは「ぎい」と平仮名で 呼ぶことにしている。 ギイに言わせれば、 「どんな違いがあるんだ!」 ということだけど、ぼくの中ではぜんぜん違うのだ。 「でも、仲良くなってくれないと困るしなぁ」 「どうして?」 「猫同士が仲良くならないと、お前一緒に住んでくれないだろ?」 「そりゃ・・・」 お互いに大事にしている猫なので、仲が悪いとなると、一緒に暮らすのは厳しい かもしれない。 「何が何でも仲良くなってもらわなくてはな!!」 「でも相性があるからなぁ」 ぼくはケージの中で丸まっているぎいを見た。 本日、初顔合わせ。 |