猫飼ってみました 8


「心配だなぁ」
「大丈夫だろ」
暢気に返事をするギイに、ぼくは一抹の不安を隠せない。
一緒に住もうと言われ、お互いが飼っている猫が仲良くできるなら、と
ぼくは条件を出した。
猫同士の仲が悪いと一緒になんて住めないし。
「タクミは大人しいいい子だけど、うちのぎい、ヤキモチ焼きだからなぁ。
誰かさんみたいに」
「誰だよ」
「誰だろうねぇ」
ギイに猫の名前を何とかしろ、と言われたので最近は猫のギイは「ぎい」と平仮名で
呼ぶことにしている。
ギイに言わせれば、
「どんな違いがあるんだ!」
ということだけど、ぼくの中ではぜんぜん違うのだ。
「でも、仲良くなってくれないと困るしなぁ」
「どうして?」
「猫同士が仲良くならないと、お前一緒に住んでくれないだろ?」
「そりゃ・・・」
お互いに大事にしている猫なので、仲が悪いとなると、一緒に暮らすのは厳しい
かもしれない。
「何が何でも仲良くなってもらわなくてはな!!」
「でも相性があるからなぁ」
ぼくはケージの中で丸まっているぎいを見た。

本日、初顔合わせ。



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あとがき

ぎい、って平仮名で呼ぶの、可愛いよね。