ラウンド2 『章三、コース予約取ったから』 やけにうきうきとした口調でギイが電話してきた。 「悪いな」 と、一応礼を言って、どこのコースだ?と確認すると、そこはパブリックではない名門コースで、お値段だってけっこうなところだった。 「ギイっ!」 何で初心者なのにこんなところを予約する!? 思わず僕は叫んでしまった。ところがギイはどこ吹く風だ。 『法人メンバーなんだ。気にするな。それに、どうせデビューするなら豪華なところがいいだろ?あそこはレディースにも優しい施設だし、飯も美味い』 「だからって!」 『会員価格でそこまで高くないって。楽しみだなー』 「あのなー、奈美はまだぜんぜん下手くそだぞ、何が楽しいんだ」 あいつの世話ばかりで、まともにゴルフができるとは思えない。 『いいんだって。可愛い女の子と一緒に回れるのが楽しいんだから』 「・・・・」 『章三、奈美子ちゃんにはミニスカでって言っておいてくれよな』 「それ、葉山が聞いたら怒るんじゃないのか?」 『託生?あー、言ったらスケベって言われたよ。別に怒ってはなかったけどな』 「・・・」 葉山も男なんだなぁ、と思わずため息がもれる。 『章三だってどうせならミニスカがいいだろ?』 「・・・」 『・・・』 「まぁ否定はしない」 どうせなら、とは思うものの、人の彼女にそれを求めるな!とは言いたいところである。 |